(船舶検査活動の実施の態様等)
第五条防衛大臣は、前条第一項又は第二項の基本計画(第五項において単に「基本計画」という。)に従い、船舶検査活動について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。
2防衛大臣は、前項の実施要項において、実施される必要のある船舶検査活動の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該船舶検査活動を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。この場合において、実施区域は、当該船舶検査活動が外国による船舶検査活動に相当する活動と混交して行われることがないよう、かかる活動が実施される区域と明確に区別して指定しなければならない。
3船舶検査活動の実施の態様は、別表に掲げるものとする。
4防衛大臣は、実施区域の全部又は一部において、自衛隊の部隊等が船舶検査活動を円滑かつ安全に実施することが困難であると認める場合又は重要影響事態において外国の領域で実施する船舶検査活動についての重要影響事態安全確保法第二条第四項の同意若しくは国際平和共同対処事態において外国の領域で実施する船舶検査活動についての国際平和協力支援活動法第二条第四項の同意が存在しなくなったと認める場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。
5前項に定めるもののほか、防衛大臣は、実施区域の全部又は一部がこの法律又は基本計画に定められた要件を満たさないものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。
6第一項の規定は、同項の実施要項の変更(前二項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。
7重要影響事態安全確保法第六条の規定は重要影響事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第一項後段の後方支援活動について、国際平和協力支援活動法第七条の規定は国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第二項後段の協力支援活動について、それぞれ準用する。
(武器の使用)
第六条前条第一項の規定により船舶検査活動の実施を命ぜられ、又は同条第七項において準用する重要影響事態安全確保法第六条第二項の規定により重要影響事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第一項後段の後方支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、若しくは前条第七項において準用する国際平和協力支援活動法第七条第二項の規定により国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第二項後段の協力支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第五項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器(自衛隊が外国の領域で当該船舶検査活動又は当該後方支援活動若しくは当該協力支援活動を実施している場合については、第四条第一項第二号又は第二項第二号の規定により基本計画に定める装備に該当するものに限る。以下この条において同じ。)を使用することができる。
2前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。
3第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。
4第一項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。
5自衛隊法第九十六条第三項の規定は、前条第一項の規定により船舶検査活動(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、又は同条第七項において準用する重要影響事態安全確保法第六条第二項の規定により重要影響事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第一項後段の後方支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、若しくは前条第七項において準用する国際平和協力支援活動法第七条第二項の規定により国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第二項後段の協力支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官については、自衛隊員以外の者の犯した犯罪に関しては適用しない。