第三十八条厚生労働省及び機構は、年金個人情報(厚生年金保険法第二十八条に規定する原簿及び国民年金法第十四条に規定する国民年金原簿に記録する個人情報その他政府管掌年金事業の運営に当たって厚生労働省及び機構が取得する個人情報をいう。以下この条において同じ。)を保有するに当たっては、それぞれその所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。
2厚生労働省及び機構は、前項の規定により特定された利用の目的(以下この条において「利用目的」という。)の達成に必要な範囲を超えて、年金個人情報を保有してはならない。
3厚生労働省及び機構は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
4厚生労働大臣(その委任を受けた者を含む。以下この条において同じ。)及び機構は、法律の規定に基づき、年金個人情報を自ら利用し、又は提供しなければならない場合を除き、利用目的以外の目的のために年金個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
5前項の規定にかかわらず、厚生労働大臣及び機構は、次の各号のいずれかに該当するときに限り、利用目的以外の目的のために年金個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、年金個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人(当該年金個人情報によって識別される特定の個人をいう。以下この項において同じ。)又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
二厚生労働大臣及び機構が次に掲げる事務の遂行に必要な限度で年金個人情報を内部で利用し、又は相互に提供する場合であって、当該年金個人情報を利用し、又は提供することについて相当な理由のあるとき。
ロ全国健康保険協会が管掌する健康保険及び船員保険の事業に関する業務のうち、健康保険法又は船員保険法の規定により厚生労働大臣又は機構が行うこととされているもの
ハ年金生活者支援給付金の支給に関する法律に基づく年金生活者支援給付金の支給に関する事業の運営に関する事務
ニ介護保険法その他の法律の規定により、年金給付の支払をする際保険料その他の金銭を徴収し、これを納入する事務
ホその他法令の規定により厚生労働大臣又は機構が行う事務であって厚生労働省令で定めるもの
三次に掲げる事務を遂行する者(チに掲げる事務を遂行する者にあっては、他の行政機関又は地方公共団体に限る。)に当該事務の遂行に必要な限度で年金個人情報を提供する場合であって、当該年金個人情報を提供することについて相当な理由のあるとき(チに掲げる事務を遂行する者に提供する場合にあっては、緊急の場合その他やむを得ない事由により本人の同意を得ることができない場合に限る。)。
イ政府管掌年金事業の運営に関する事務のうち、法令の規定により厚生労働大臣又は機構以外の者が行うこととされているもの
ロ全国健康保険協会が管掌する健康保険及び船員保険の事業に関する業務(前号ロに掲げるものを除く。)
ハ年金生活者支援給付金の支給に関する法律に基づく年金生活者支援給付金の支給に関する事業の運営に関する事務のうち、法令の規定により厚生労働大臣又は機構以外の者が行うこととされているもの
ニ国民健康保険法の規定による被保険者の資格に関する事務
ホ年金給付と他の法律による給付との併給の調整に関する事務
ヘ介護保険法その他の法律の規定により、厚生労働大臣をして年金給付の支払をする際保険料その他の金銭を徴収させ、これを納入させる事務
ト政府管掌年金事業に関連する事務であって厚生労働省令で定めるもの
チ高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成十七年法律第百二十四号)第二条第三項に規定する高齢者虐待の防止、同法第九条第一項及び第二十四条の規定による措置に関する事務その他の法令の定める事務であって厚生労働省令で定めるもの
四専ら統計の作成若しくは学術研究の目的のために年金個人情報を提供するとき、又は本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき。
6前項の規定は、年金個人情報の利用又は提供を制限する他の法令の規定の適用を妨げるものではない。
7厚生労働大臣及び機構は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、年金個人情報の利用目的以外の目的のための厚生労働省又は機構の内部における利用をそれぞれ特定の部局若しくは機関又は特定の役員若しくは職員に限るものとする。
8厚生労働大臣及び機構は、第五項第三号又は第四号の規定に基づき、年金個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、年金個人情報の提供を受ける者に対し、提供に係る年金個人情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の年金個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
9年金個人情報が個人情報の保護に関する法律第六十条第一項に規定する保有個人情報に該当する場合における同法第九十八条第一項各号の規定の適用については、同項各号中「第六十九条第一項及び第二項」とあるのは、「日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)第三十八条第四項及び第五項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。