第二条津波対策は、次に掲げる津波に関する基本的認識の下に、総合的かつ効果的に推進されなければならない。
一津波は、一度発生すると、広域にわたり、国民の生命、身体及び財産に甚大な被害を及ぼすとともに、我が国の経済社会の健全な発展に深刻な影響を及ぼすおそれがあること。
二津波は、その発生に際して国民が迅速かつ適切な行動をとることにより、人命に対する被害を相当程度軽減することができることから、防潮堤、水門等津波からの防護のための施設の整備と併せて、津波避難施設(津波により浸水すると想定される地域における一時的な避難場所としての機能を有する堅固な建築物又は工作物をいう。以下同じ。)の着実な整備を推進するとともに、津波に関する防災上必要な教育及び訓練の実施、防災思想の普及等を推進することにより津波及び津波による被害の特性、津波に備える必要性等に関する国民の理解と関心を深めることが特に重要であること。
三津波は、被害の発生を防止し、又は軽減するためにその規模等を迅速かつ適切に予測する必要があること、津波による被害の詳細な予測がいまだ困難であること等から、観測体制の充実並びに過去の津波及び将来発生することが予測される津波並びにこれらによる被害等に関する調査研究を推進することが重要であること。
四津波は、国境を越えて広域にわたり伝播する特性を有していること、各国における調査研究の成果を国際的に共有する必要性が高いこと等から、観測及び調査研究に係る国際協力を推進することが重要であること。