第十一条製造業者等は、製造部門に、手順書等に基づき、次に掲げる製造管理に係る業務を適切に行わせなければならない。
一製造工程における指示事項、注意事項その他必要な事項を記載した製造指図書を作成し、これを保管すること。
三製品の製造に関する記録をロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと。以下同じ。)に作成し、これを保管すること。
四製品の資材についてロットごとにそれが適正である旨を確認するとともに、その結果に関する記録を作成し、これを保管すること。
五製品等についてはロットごとに、資材については管理単位ごとに適正に保管し、出納を行うとともに、その記録を作成し、これを保管すること。
六構造設備の清浄を確認するとともに、その結果に関する記録を作成し、これを保管すること。
七構造設備を定期的に点検整備するとともに、その記録を作成し、これを保管すること。また、計器の校正を適切に行うとともに、その記録を作成し、これを保管すること。
八製造、保管及び出納並びに衛生管理に関する記録により製造管理が適切に行われていることを確認し、その結果を品質部門に対して文書により報告すること。
九作業室又は作業管理区域については、製造する製品の種類、構造、特性、製造工程及び当該作業室又は作業管理区域で行う作業内容等に応じて、清浄の程度等作業環境の管理の程度を適切に設定し、管理すること。
十製品等及び資材については、製造する製品の種類、構造、特性及び製造工程等に応じて、微生物等の数等必要な管理項目を適切に設定し、管理すること。
十一製造工程において、製品等及び資材の微生物等による汚染等を防止するために必要な措置を採ること。
十二製造する製品の種類、構造、特性及び製造工程等に応じて、製品の無菌性を保証するために重要な工程等については、工程管理のために必要な管理値を適切に定め、管理すること。
十三製造用水については、その用途に応じ、所要の微生物学的項目及び物理化学的項目に係る管理値を適切に定め、管理すること。
十四製造工程において、製品等に含まれる微生物等を不活化し、又は除去する場合においては、当該不活化又は除去が行われていない製品等による汚染を防止するために必要な措置を採ること。
十五製造工程において、生物化学的な技術を用いる場合においては、温度、水素イオン指数等の製造工程の管理に必要な事項について、継続的に測定を行うこと。
十六製造工程において、カラムクロマトグラフ装置等を用いる場合においては、微生物等による当該装置の汚染を防止するために必要な措置を採るとともに、必要に応じエンドトキシンの測定を行うこと。
十七製造工程において、培養槽中に連続的に培地を供給し、かつ、連続的に培養液を排出させる培養方式を用いる場合においては、培養期間中の当該培養槽における培養条件を維持するために必要な措置を採ること。
十八微生物等により汚染された全ての物品(製造の過程において汚染されたものに限る。)等を、保健衛生上の支障が生ずるおそれのないように処置すること。
十九製造に使用する細胞の株の取扱いについて、次に掲げる事項に関する記録を作成し、これを保管すること。
ロ譲受けの年月日並びに相手方の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び所在地)
二十製品の製造に使用する生物(植物を除く。)に由来する原料(以下「再生医療等製品生物由来原料」という。)については、当該再生医療等製品生物由来原料が当該製品の製品標準書に照らして適切なものであることを確認するとともに、その結果に関する記録を作成し、これを保管すること。
二十一製品の製造に使用する再生医療等製品生物由来原料については、厚生労働大臣の定めるところにより、記録しなければならないとされている事項を第二十二条第三号イ又はロに掲げる期間自ら保管し、又は当該再生医療等製品生物由来原料の原材料(製造に使用する原料又は材料(製造工程において使用されるものを含む。)の由来となるものをいう。)を採取する業者等(以下「原材料採取業者等」という。)との間で取決めを締結することにより、当該原材料採取業者等において適切に保管することとすること。
二十二第八号及び前二号の記録を、製造する製品のロットごとに作成し、これを保管すること。
二十三異なるドナー又はドナー動物から採取した細胞又は組織を取り扱う場合においては、当該細胞又は組織の混同及び交叉汚染を防止するために必要な措置を採ること。
二十四原料となる細胞又は組織について、受入れ時に、次に掲げる事項に関する記録により、当該製品の製品標準書に照らして適切なものであることを確認するとともに、その結果に関する記録を作成し、これを保管すること。
ハ当該細胞又は組織が人に係るものである場合においては、ドナースクリーニング(ドナーについて、問診、検査等による診断を行い、製品の原料となる細胞又は組織を提供するにつき十分な適格性を有するかどうかを判定することをいう。)のためのドナーの問診、検査等による診断の状況
ニ当該細胞又は組織が動物に係るものである場合においては、ドナー動物の受入れの状況並びにドナースクリーニング(ドナー動物について、試験検査及び飼育管理を行い、製品の原料となる細胞又は組織を提供するにつき十分な適格性を有するかどうかを判定することをいう。)のためのドナー動物の試験検査及び飼育管理の状況
トイからヘまでに掲げるもののほか、製品の品質の確保に関し必要な事項
二十五原料となる細胞又は組織をドナー動物から採取する場合においては、採取の過程における微生物等による汚染を防止するために必要な措置を採るとともに、当該措置の記録を作成し、これを保管すること。
二十六製品について、製品ごとに、出荷先施設名、出荷日及びロットを把握するとともに、その記録を作成し、これを保管すること。
二十七配送について、製品の品質の確保のために必要な措置を採るとともに、当該措置の記録を作成し、これを保管すること。
二十八第二十四号から前号までの記録を、ロット(第二十六号の記録にあっては、製品)ごとに作成し、これを保管すること。
二十九次に定めるところにより、職員の衛生管理を行うこと。
イ製造作業に従事する職員以外の者の作業所への立入りをできる限り制限すること。
ロ現に作業が行われている清浄度管理区域又は無菌操作等区域への職員の立入りをできる限り制限すること。
ハ人若しくは動物の細胞又は微生物等の培養その他の加工等(その製造工程において現に原料等として使用されているものを除く。)に係る作業に従事する職員による汚染の防止のための厳重な手順を定め、これを遵守する場合を除き、製品の作業室又は作業管理区域に立入りさせないこと。
ニ製造作業に従事する職員を、使用動物(その製造工程において現に使用されているものを除く。)の管理に係る作業に従事させないこと。
三十次に定めるところにより、清浄度管理区域又は無菌操作等区域で作業する職員の衛生管理を行うこと。
イ製造作業に従事する職員に、消毒された作業衣、作業用のはき物、作業帽、作業マスク及び作業手袋を着用させること。
ロ製造作業に従事する職員が清浄度管理区域又は無菌操作等区域へ立入る際には、当該区域の管理の程度に応じて、更衣等を適切に行わせること。
ハ職員が製品等を微生物等により汚染するおそれのある疾病にかかっていないことを確認するために、職員に対し、六月を超えない期間ごとに健康診断を行うこと。
ニ職員が製品等を微生物等により汚染するおそれのある健康状態にある場合(皮膚若しくは毛髪の感染症若しくは風邪にかかっている場合、負傷している場合又は下痢若しくは原因不明の発熱等の症状を呈している場合を含む。)においては、当該職員を清浄度管理区域又は無菌操作等区域における作業に従事させないこと。
ホ職員が細胞又は組織の採取又は加工の直前に細胞又は組織を汚染するおそれのある微生物等を取り扱っている場合においては、当該職員を清浄度管理区域又は無菌操作等区域における作業に従事させないこと。
ヘ前号及びイからホまでの記録を作成し、これを保管すること。