(英国軍隊によって逮捕された者の受領)
第五条検察官又は司法警察員は、英国軍隊から日本国の法令による罪を犯した英国軍隊の構成員又は英国軍隊の文民構成員を引き渡す旨の通知があった場合には、裁判官の発する逮捕状を示して被疑者の引渡しを受け、又は検察事務官若しくは司法警察職員にその引渡しを受けさせなければならない。この場合において、刑事訴訟法第二百一条の二第二項の規定による逮捕状に代わるものの交付があったときは、当該逮捕状に代わるものを示して、その引渡しを受けることができる。
2検察官又は司法警察員は、前項に規定する場合において、引き渡されるべき者が日本国の法令による罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があって、急速を要し、あらかじめ裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げてその者の引渡しを受け、又は受けさせなければならない。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちにその者を釈放し、又は釈放させなければならない。
3前二項の場合を除くほか、検察官又は司法警察員は、引き渡される者を受け取った後、直ちにその者を釈放し、又は釈放させなければならない。
4第一項又は第二項の規定による引渡しがあった場合には、刑事訴訟法第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合の手続の例による。ただし、同法第二百三条第一項、第二百四条第一項及び第二百五条第二項の時間の制限は、それぞれ第一項又は第二項の規定による引渡しがあった時から起算する。
(日本国の法令による罪に係る事件以外の刑事事件についての協力)
第八条検察官又は司法警察員は、英国軍隊から、日本国の法令による罪に係る事件以外の刑事事件につき、英国軍隊の構成員又は英国軍隊の文民構成員の逮捕の要請を受けたときは、これを逮捕し、又は検察事務官若しくは司法警察職員に逮捕させることができる。
2前項の場合において、逮捕の要請があった者が、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内にいることを疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官又は司法警察員は、裁判官の許可を得て、その場所に入りその者を捜索し、又は検察事務官若しくは司法警察職員にその場所に入りその者を捜索させることができる。ただし、追跡されている者がその場所に入ったことが明らかであって、急速を要し裁判官の許可を得ることができないときは、その許可を得ることを要しない。
3第一項の規定により英国軍隊の構成員又は英国軍隊の文民構成員を逮捕したときは、直ちに検察官又は司法警察員から、その者を英国軍隊に引き渡さなければならない。
4司法警察員は、前項の規定により英国軍隊の構成員又は英国軍隊の文民構成員を引き渡したときは、その旨を検察官に通報しなければならない。