(経理原則)第一条社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「法」という。)第三十六条の二十五第一項に規定する流行初期医療確保措置関係業務(以下「流行初期医療確保措置関係業務」という。)に係る財政状態及び経営成績を明らかにするため、財産の増減及び異動並びに収益及び費用をその発生の事実に基づいて経理しなければならない。
(勘定区分)第二条法第三十六条の二十八の特別の会計(次条及び第十五条第一号において「流行初期医療確保措置特別会計」という。)においては、貸借対照表勘定及び損益勘定を設け、貸借対照表勘定においては資産、負債及び資本を計算し、損益勘定においては収益及び費用を計算する。
(予算総則)第四条予算総則には、収入支出予算に関する総括的規定を設けるほか、次に掲げる事項に関する規定を設けるものとする。一第八条第二項の経費の指定二第九条第一項ただし書の経費の指定三法第三十六条の三十二第一項の規定による長期借入金の借入れの限度額四その他予算の実施に関し必要な事項
(予算の添付書類)第六条支払基金は、法第三十六条の二十九前段の規定により予算について認可を受けようとするときは、申請書に次に掲げる書類を添付して厚生労働大臣に提出しなければならない。一前事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書二当該事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書三その他当該予算の参考となる書類2支払基金は、法第三十六条の二十九後段の規定により予算の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、変更が前項第二号又は第三号に掲げる書類の変更を伴うときは、当該変更後の書類を添付しなければならない。
(予備費)第七条支払基金は、予見することができない理由による支出予算の不足を補うため、収入支出予算に予備費を設けることができる。2支払基金は、厚生労働大臣の承認を受けなければ予備費を使用することができない。3支払基金は、前項の規定による承認を受けようとするときは、使用の理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(予算の流用)第八条支払基金は、支出予算については、当該予算に定める目的のほかに使用してはならない。ただし、予算の実施上必要かつ適当であるときは、第五条の区分にかかわらず支出予算に定めた各項の間において理事会の議決を経て、相互流用することができる。2支払基金は、予算総則で指定する経費の金額については、厚生労働大臣の承認を受けなければ、それらの経費の間又は他の経費との間に相互流用することができない。3支払基金は、前項の規定による承認を受けようとするときは、流用の理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(予算の繰越し)第九条支払基金は、予算の実施上必要があるときは、支出予算の経費の金額のうち当該事業年度内に支出決定を終わらなかったものを翌事業年度に繰り越して使用することができる。ただし、予算総則で指定する経費の金額については、あらかじめ厚生労働大臣の承認を受けなければならない。2支払基金は、前項ただし書の規定による承認を受けようとするときは、当該事業年度末までに、事項ごとに繰越しを必要とする理由及び金額を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。3支払基金は、第一項の規定による繰越しをしたときは、翌事業年度の五月三十一日までに、繰越計算書を厚生労働大臣に提出しなければならない。4前項の繰越計算書は、支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。一繰越しに係る経費の支出予算現額二前号の経費の支出予算現額のうち支出決定済額三第一号の経費の支出予算現額のうち翌事業年度への繰越額四第一号の経費の支出予算現額のうち不用額
(事業計画及び資金計画)第十条法第三十六条の二十九の事業計画には、次に掲げる事項についての計画を記載しなければならない。一法第三十六条の二十五第一項第一号に規定する流行初期医療確保拠出金等の徴収及び同項第二号に規定する流行初期医療確保交付金の交付に関する事項二その他必要な事項2法第三十六条の二十九の資金計画には、次に掲げる事項についての計画を記載しなければならない。一資金の調達方法二資金の使途三その他必要な事項3支払基金は、法第三十六条の二十九後段の規定により事業計画又は資金計画の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(収入支出等の報告)第十一条支払基金は、法第十六条第二項に規定する新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われた日の属する月から当該感染症に係る流行初期医療確保措置関係業務が完了したと認められる月までの間、毎月、収入及び支出については第五条に規定する区分に従いその金額を明らかにした報告書により、翌月末日までに、厚生労働大臣に報告しなければならない。
(事業報告書)第十二条法第三十六条の三十第二項の事業報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一事業内容、職員の定数及びその前事業年度末との比較、沿革、支払基金の設立の根拠となる法律が社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)である旨及び流行初期医療確保措置関係業務を行う根拠となる法律が法である旨並びに主管省庁が厚生労働省である旨二役員の定数並びに各役員の氏名、役職、任期及び経歴三その事業年度及び過去三事業年度以上の事業の実施状況(第十条第一項の事業計画及び同条第二項の資金計画の実施の結果を含み、借入金があるときはその借入先、借入れに係る目的及び金額を含み、財政投融資資金を受け入れているときはその受入れに係る目的及び金額を含み、国から補助金等の交付を受けているときはその名称、受入れに係る目的及び金額を含む。)四流行初期医療確保措置関係業務の一部の委託を受け、又は流行初期医療確保措置関係業務に関連する事業を行っている一般社団法人又は一般財団法人その他の団体(会社を除く。)であって、支払基金が出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて財務及び事業の方針に係る決定を支配し、又はそれらに対して重要な影響を与えることができるもの(次号及び第十五条第二号において「関連一般社団法人等」という。)の名称、事務所の所在地及び基本財産(基本財産に相当するものを含む。第十五条第二号において同じ。)を有するときはその額、事業内容、役員の人数、代表者の氏名、職員数及び支払基金との関係五支払基金と関連一般社団法人等との関係の概要(当該関係を示す系統図を含む。)六支払基金が対処すべき課題(流行初期医療確保措置関係業務に係るものに限る。)
(収入支出決算書)第十四条前条第一項の収入支出決算書は、収入支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。一次に掲げる収入に関する事項イ収入予算額ロ収入決定済額ハ収入予算額と収入決定済額との差額二次に掲げる支出に関する事項イ支出予算額ロ前事業年度からの繰越額ハ予備費の使用の金額及びその理由ニ流用の金額及びその理由ホ支出予算現額ヘ支出決定済額ト翌事業年度への繰越額チ不用額
(附属明細書)第十五条法第三十六条の三十第三項の附属明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一次に掲げる主な資産及び負債の明細イ長期借入金の明細(借入先(財政投融資資金による借入れの有無を含む。)並びに借入先ごとの事業年度当初及び事業年度末における借入残高を含む。)ロ引当金及び準備金の明細(引当金及び準備金の種類ごとの事業年度当初及び事業年度末における状況を含む。)ハ固定資産の取得及び処分並びに減価償却費の明細ニ子会社(支払基金が議決権の過半数を実質的に所有している他の会社をいう。この場合において、支払基金及び子会社又は子会社が議決権の過半数を実質的に所有している他の会社は、支払基金の子会社とみなす。以下この号において同じ。)及び支払基金(支払基金が子会社を有する場合には、当該子会社を含む。)が議決権の百分の二十以上、百分の五十以下を実質的に所有し、かつ、支払基金が人事、資金、技術、取引等の関係を通じて財務及び事業の方針に対して重要な影響を与えることができる会社(以下この号において「関連会社」という。)の株式であって支払基金が保有するもの(流行初期医療確保措置特別会計において計上されるものに限る。)の明細(子会社及び関連会社の名称及び一株の金額並びに所有株数、取得価額、貸借対照表計上額並びに事業年度当初及び事業年度末におけるそれらの状況を含む。)ホニに掲げるもののほか、支払基金が行う出資に係る出資金(流行初期医療確保措置特別会計において計上されるものに限る。)の明細ヘ子会社及び関連会社に対する債権及び債務の明細トイからヘまでに掲げるもののほか、現金及び預金、受取手形、売掛金、支払手形、買掛金、短期借入金、未決算勘定その他の主な資産及び負債の明細二次に掲げる主な費用及び収益の明細イ国からの補助金等の明細(当該事業年度に国から交付を受けた補助金等の名称、当該補助金等に係る国の会計区分並びに当該補助金等と貸借対照表及び損益計算書に掲記されている関連科目との関係を含む。)ロ役員及び職員の給与費の明細ハ関連一般社団法人等に対し基本財産への出えんその他の出えんを行っているときは、当該法人ごとの出えん額ニイ及びハに掲げるもののほか、流行初期医療確保措置関係業務の特性を踏まえ重要と認められる費用及び収益の明細
(借入金の認可)第十七条支払基金は、流行初期医療確保措置関係業務に要する経費に充てるため、法第三十六条の三十二第一項の規定により長期借入金若しくは短期借入金の借入れの認可を受けようとするとき、又は同条第三項ただし書の規定により短期借入金の借換えの認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。一借入れを必要とする理由二借入金の額三借入先四借入金の利率五借入金の償還方法及び期限六利息の支払の方法及び期限七その他必要な事項
(会計規程)第十八条支払基金は、流行初期医療確保措置関係業務の財務及び会計に関し、法及びこの省令に定めるもののほか、会計規程を定めなければならない。2支払基金は、前項の会計規程を定めようとするときは、その基本的事項について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。3支払基金は、第一項の会計規程を制定し、又は変更したときは、その理由及び内容を明らかにして、遅滞なく厚生労働大臣に届け出なければならない。