第二条この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一地域公共交通地域住民の日常生活若しくは社会生活における移動又は観光旅客その他の当該地域を来訪する者の移動のための交通手段として利用される公共交通機関をいう。
二公共交通事業者等次に掲げる者をいう。
イ鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)による鉄道事業(以下「鉄道事業」という。)のうち旅客の運送に係るもの(以下「旅客鉄道事業」という。)について同法の許可を受けた者(以下「鉄道事業者」という。)
ロ軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道経営者(旅客の運送を行うものに限る。)
ハ道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による一般乗合旅客自動車運送事業者(以下「一般乗合旅客自動車運送事業者」という。)及び同法による一般乗用旅客自動車運送事業者(第七号ロにおいて「一般乗用旅客自動車運送事業者」という。)並びに同法第七十九条の七第一項に規定する自家用有償旅客運送者(特定の者の需要に応じ、一定の範囲の旅客を運送する者として国土交通省令で定める者を除く。第十三号において「自家用有償旅客運送者」という。)
ニ自動車ターミナル法(昭和三十四年法律第百三十六号)によるバスターミナル事業を営む者
ホ海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第五項に規定する一般旅客定期航路事業(本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間に航路を定めて行うものを除く。以下「国内一般旅客定期航路事業」という。)、同法第十九条の六の二に規定する人の運送をする貨物定期航路事業(本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間に航路を定めて行うものを除く。)及び同法第二十条第二項に規定する人の運送をする不定期航路事業(乗合旅客の運送をするものに限り、本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間におけるものを除く。)(以下これらを「国内一般旅客定期航路事業等」と総称する。)を営む者
ヘイからホまでに掲げる者以外の者で鉄道事業法による鉄道施設又は海上運送法による輸送施設(船舶を除き、国内一般旅客定期航路事業等の用に供するものに限る。)であって、公共交通機関を利用する旅客の乗降、待合いその他の用に供するものを設置し、又は管理するもの
三道路管理者道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。
四港湾管理者港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第一項に規定する港湾管理者をいう。
五地域公共交通特定事業軌道運送高度化事業、道路運送高度化事業、海上運送高度化事業、鉄道事業再構築事業、鉄道再生事業、地域旅客運送サービス継続事業、貨客運送効率化事業及び地域公共交通利便増進事業をいう。
六軌道運送高度化事業軌道法による軌道事業(以下単に「軌道事業」という。)(旅客の運送を行うものに限る。以下「旅客軌道事業」という。)であって、より優れた加速及び減速の性能を有する車両を用いることその他の国土交通省令で定める措置を講ずることにより、定時性の確保(設定された発着時刻に従って運行することをいう。以下同じ。)、速達性の向上(目的地に到達するまでに要する時間を短縮することをいう。以下同じ。)、快適性の確保その他の国土交通省令で定める運送サービスの質の向上を図り、もって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
七道路運送高度化事業道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業(以下「一般乗合旅客自動車運送事業」という。)又は同法による一般乗用旅客自動車運送事業(以下「一般乗用旅客自動車運送事業」という。)について、定時性の確保、速達性の向上、快適性の確保その他の運送サービスの質の向上を図るために行う事業であって、次に掲げるものをいう。
イ一般乗合旅客自動車運送事業者が輸送力を増加させ、効率的に運送を実施するために行う事業であって、道路管理者、都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)その他国土交通省令で定める者が講ずる走行円滑化措置(車線の増設、優先通行帯の設置その他の自動車の円滑な走行に資する措置をいう。)と併せて、連節バス(二以上の車室が連結された自動車であってそれぞれの車室の間を旅客が往来できる構造のものをいう。)その他の輸送力の確保に資するものとして国土交通省令で定める要件を満たす自動車を用いるもの
ロ一般乗合旅客自動車運送事業者又は一般乗用旅客自動車運送事業者が円滑な運送の実施を確保するために行う事業であって、運行経路指示システム(官民データ活用推進基本法(平成二十八年法律第百三号)第二条第二項に規定する人工知能関連技術を活用した情報システムであって運転者に対して目的地までの最も効率的な経路を指示するためのものをいう。)その他の先端的な技術を活用することにより旅客の運送に要する時間(運送の申込みから運送の開始までに要する時間を含む。)の短縮に資するものとして国土交通省令で定める要件を満たす設備を用いるもの
ハ一般乗合旅客自動車運送事業者が車内における静穏を確保し、及び車内における安全性を向上させるために行う事業であって、電気自動車(専ら電気を動力源とする自動車をいう。)その他の車内における騒音及び振動の程度が低く、かつ、車内における旅客の転倒を防止する観点から優れた加速及び減速の性能を有する自動車を用いるもの
八海上運送高度化事業国内一般旅客定期航路事業等であって、より優れた加速及び減速の性能を有する船舶を用いることその他の国土交通省令で定める措置を講ずることにより、定時性の確保、速達性の向上、快適性の確保その他の国土交通省令で定める運送サービスの質の向上を図り、もって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
九鉄道事業再構築事業大量輸送機関としての鉄道の特性を生かした地域旅客運送サービスの持続可能な提供が困難な状況にある路線の全部又は一部の区間における旅客鉄道事業による輸送の維持を図るための事業であって、当該区間において旅客鉄道事業を経営する鉄道事業者又は当該鉄道事業者に代わって引き続き旅客鉄道事業を経営しようとする者が、当該区間に係る旅客鉄道事業について、地方公共団体その他の者の支援を受けつつ次に掲げる事業構造の変更を行うとともに、利用者の利便を確保するもの(鉄道再生事業に該当するものを除く。)をいう。
ハイ及びロに掲げるもののほか、事業の実施主体の変更
ニイからハまでに掲げるもののほか、重要な資産の譲渡及び譲受その他の国土交通省令で定める事業構造の変更
十鉄道再生事業鉄道事業法第二十八条の二第一項の規定による廃止の届出(以下「廃止届出」という。)がされた鉄道事業について、地方公共団体その他の者の支援により当該鉄道事業の維持を図るための事業をいう。
十一地域旅客運送サービス継続事業一般乗合旅客自動車運送事業又は国内一般旅客定期航路事業に係る路線等(路線若しくは営業区域又は航路をいう。以下同じ。)で収支が不均衡な状況にあるものにおける運送を継続するために行う事業であって、地方公共団体がそれぞれ一般乗合旅客自動車運送事業者又は国内一般旅客定期航路事業を営む者で当該路線等における運送を実施する者を国土交通省令で定めるところにより選定し、当該選定をした者への支援を行うことにより、当該選定をした者に引き続き当該路線等における運送を実施させるものをいう。
十二貨客運送効率化事業旅客陸上運送事業(旅客鉄道事業、旅客軌道事業、一般乗合旅客自動車運送事業及び一般乗用旅客自動車運送事業をいう。第二十七条の八第二項において同じ。)及び貨物陸上運送事業(貨物鉄道事業(鉄道事業のうち貨物の運送に係るものをいう。第二十七条の六第三項において同じ。)、貨物軌道事業(軌道事業のうち貨物の輸送を行うものをいう。第二十七条の六第三項において同じ。)及び一般貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)による一般貨物自動車運送事業をいう。第二十七条の七第三項第八号において同じ。)をいう。)について、同一の車両又は自動車を用いて旅客及び貨物の運送を併せて行うことその他の方法により、これらの事業に係る車両、自動車、施設その他の経営資源を共用し、運送の効率化その他の経営の効率化を図るための事業であって、当該旅客陸上運送事業の経営の安定に資するものをいう。
十三地域公共交通利便増進事業地域公共交通の利用の容易性の向上又は利用の円滑化その他の地域公共交通の利用者の利便の増進を図るために行う事業であって、次に掲げるものをいう。
イ地方公共団体がその全部又は一部の区域における輸送需要に応じた地域公共交通網の整備を図るために行う事業であって、公共交通事業者等への支援を行うことにより次に掲げる措置の実施を促進するもの
(1)旅客鉄道事業、旅客軌道事業、一般乗合旅客自動車運送事業又は国内一般旅客定期航路事業に係る路線等の編成の変更
(2)次に掲げる事業の転換又は道路運送法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送(自家用有償旅客運送者が行うものに限る。以下「自家用有償旅客運送」という。)から道路運送事業(一般乗合旅客自動車運送事業又は一般乗用旅客自動車運送事業をいう。以下この(2)において同じ。)への転換
(i)旅客鉄道事業又は旅客軌道事業から道路運送事業への転換
(ii)一の種類の道路運送事業から他の種類の道路運送事業への転換
(iii)一の種類の国内一般旅客定期航路事業等から他の種類の国内一般旅客定期航路事業等への転換
(3)自家用有償旅客運送の導入又は路線若しくは運送の区域の変更
ロ地方公共団体が地域公共交通の利用者にとって利用しやすい運賃又は運行時刻の設定その他の運送の条件の改善を図るために行う事業であって、公共交通事業者等への支援を行うことにより次に掲げる措置の実施を促進するもの
(1)利用者が期間、区間その他の定められた条件の範囲内で地域公共交通を利用することができる運賃又は料金の設定その他これに類する運賃又は料金の設定
(2)一定の運行間隔その他の一定の規則による運行回数又は運行時刻の設定
(3)共通乗車船券(二以上の旅客運送事業者(第二号イからハまで及びホに掲げる者(同号ハに掲げる者にあっては、自家用有償旅客運送者を除く。)をいう。)が期間、区間その他の条件を定めて共同で発行する証票であって、その証票を提示することにより、当該条件の範囲内で、当該各旅客運送事業者の運送サービスの提供を受けることができるものをいう。以下同じ。)の発行
ハイ又はロに掲げる事業と併せて行う事業であって、地域公共交通の利用者の利便の増進を図るための事業として国土交通省令で定めるもの
十四地域公共交通一体型路外駐車場整備事業駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第三条の駐車場整備地区内に整備されるべき同法第四条第二項第五号の主要な路外駐車場(都市計画において定められた路外駐車場を除く。)の整備を行う事業であって、軌道運送高度化事業又は道路運送高度化事業と一体となって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
十五新地域旅客運送事業地域の旅客輸送需要に適した効率的な運送サービスであって、次に掲げる事業のうち二以上の事業に該当し、かつ、当該二以上の事業において同一の車両又は船舶を用いて一貫した運送サービスを提供する事業をいう。
十六新モビリティサービス事業情報通信技術その他の先端的な技術を活用して二以上の交通機関の利用に係る予約、料金の支払その他の行為を一括して行うことができるようにするサービスその他の当該技術の活用により交通機関の利用者の利便を増進するサービスを提供する事業をいう。