第三条法第六条第一項第一号に掲げる事項に関する同項の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
一清掃を適切に行い、衛生上支障のないように管理すること。
二整理整とんを行い、不必要な物品等を置かないこと。
三床、内壁、天井、窓又は扉等に破損又は故障等があるときは、速やかに補修又は修理を行うこと。
四汚臭及び過度の湿気を除くよう十分に換気すること。
五採光又は照明装置により必要な照度を確保すること。
六換気設備を設置している場合は、当該設備の維持管理を適切に行うこと。
七給水設備等の衛生管理は、次に掲げるところにより行うこと。
イ水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業、同条第六項に規定する専用水道及び同条第七項に規定する簡易専用水道により供給される水以外の水を使用する場合は、一年に一回以上(災害等により水源等が汚染され、水質が変化したおそれがある場合は、その都度)水質検査を行い、その結果を証する書類を検査の日から一年間保存すること。また、その結果、飲用不適となつたときは、直ちに都道府県知事(保健所を設置する市にあつては、市長。以下同じ。)の指示を受け、適切な措置を講じること。
ロ消毒装置又は浄水装置を設置している場合は、当該装置が正常に作動していることを毎日確認すること。この場合において、確認した日、確認の結果、確認した者その他必要な記録を確認の日から一年間保存すること。
ハ貯水槽を使用する場合は、定期的に点検及び清掃を行うこと。
八冷蔵設備を設置している場合は、枝肉(獣畜をとさつした後、頭部、前後肢及び尾を切断し、剝皮し、乳房を切除し、内臓を摘出したものをいう。以下同じ。)又は食用に供する内臓が摂氏十度以下となるよう当該設備の維持管理を適切に行うこと。この場合において、冷蔵設備内の温度の測定は、作業開始前に一回、及び作業時間内に一回以上行い、測定した日時、温度、測定者その他必要な記録を測定の日から一年間保存すること。
九法第十四条第三項の検査で保留された枝肉は、その他の枝肉と区別して衛生的に管理すること。
十牛海綿状脳症対策特別措置法(平成十四年法律第七十号)第七条第一項に規定する厚生労働省令で定める月齢以上の牛(そのとたい(獣畜をとさつした物であつて、枝肉に処理する前のものをいう。以下同じ。)、頭部、枝肉及び内臓を含む。以下この号において同じ。)及びこれに該当しないことが確認できない牛については、法第十四条第三項の規定による伝達性海綿状脳症に係る検査が終了するまでの間、その他の牛と工程、表示等により区分して衛生的に管理すること。
十一月齢が三十月以下の牛(出生の年月日から起算して三十月を経過した日までのものをいう。以下同じ。)の頭部(舌、頬肉及び皮を除く。以下この条において同じ。)及び脊髄並びにこれらを含むもの(以下「頭部等」という。)を食用に供する場合には、当該牛の頭部等については、とさつ、解体及び保管の各段階で、その他の牛(月齢が三十月を超える牛(出生の年月日から起算して三十月を経過した日の翌日以後のものをいう。以下同じ。)及び月齢が三十月以下であることが確認できない牛をいう。以下同じ。)の頭部等と工程、表示等により区分して衛生的に管理すること。
十二係留所及び生体検査所の衛生管理は、次に掲げるところにより行うこと。
イ適宜、獣畜のふん便等を適切に処理し、洗浄すること。
ロ体表に多量のふん便等が付着している獣畜は、洗浄すること。
十四汚物だめ並びに血液及び汚水の処理設備を設置している場合は、当該設備の維持管理を適切に行うこと。また、当該施設から生じる汚泥等は、衛生上支障のないように処理すること。この場合において、処理を行つた日、処理方法、処理を行つた者その他必要な記録を処理の日から一年間保存すること。
十五排水溝は、固形物の流出を防ぎ、かつ、排水がよく行われるように清掃し、破損した場合は速やかに補修すること。
十六と畜場内の洗浄消毒は、次に掲げるところにより行うこと。
イ血液又は脂肪等が付着している部分の洗浄は、温湯を使用すること。
ハイ及びロ以外の洗浄は、十分な量の水、温湯又は洗浄剤を使用すること。
ニ消毒は、摂氏八十三度以上の温湯又は消毒剤を使用すること。
十七機械器具の衛生管理は、次に掲げるところにより行うこと。
イ機械器具は、作業終了後洗浄し、又は消毒すること。
ロ獣畜のとさつ又は解体に使用するナイフ、動力付はく皮ナイフ、のこぎり、結さつ器その他のとたい又は枝肉に直接接触する機械器具の消毒は、摂氏八十三度以上の温湯を使用すること。
ハ機械器具及び分解したこれらの部品は、それぞれ所定の場所に衛生的に保管すること。
ニ機械器具は、定期的に点検し、故障又は破損等があるときは、速やかに修理又は補修を行い、常時適正に使用できるよう整備すること。
ホ温度計、圧力計及び流量計等の計器類は定期的にその精度を点検し、故障又は異常等があるときは、速やかに修理等を行うこと。
十八不可食部分等の衛生管理は、次に掲げるところにより行うこと。
イ不可食部分(別表第一に掲げる部分を除く。)、第十六条第三号の規定により廃棄された物、同条第四号の規定により廃棄された物、別表第一に掲げる部分(牛については、別表第一に掲げる部分と区分されていないその他の部分を含む。以下同じ。)及びその他の廃棄物は、その種別を表示した専用容器に収納し、処理室外に搬出し、及び焼却炉で焼却すること等により衛生上支障のないように処理すること。この場合において、同条第四号の規定により廃棄された物及び別表第一に掲げる部分の処理については、処理を行つた日、処理の方法、処理を行つた者その他必要な記録を処理の日から一年間保存すること。
ロイの容器は、作業終了後所定の場所において洗浄消毒すること。
十九ねずみ、昆虫等の防除は、次に掲げるところにより行うこと。
イ防そ・防虫設備のない窓及び出入口を開放状態で放置しないこと。
ロ防そ・防虫網その他の防そ・防虫設備の機能を点検し、必要に応じ、補修等を行うこと。
ハ処理室内に搬入される容器等による昆虫等の侵入を防ぐよう荷受け時に点検し、不用となつた容器等は速やかに処理室外に搬出し、及び焼却炉で焼却すること等により衛生上支障のないように処理すること。
ニ定期的に駆除作業を行うこと。この場合において、駆除を行つた日、駆除の方法、駆除を行つた者その他必要な記録を駆除を行つた日から一年間保存すること。
二十手洗い設備には、手洗いに必要な洗浄消毒液を備え、常時使用できるようにすること。
二十一便所は、清潔に保ち、定期的に消毒を行うこと。
二十三洗浄剤及び消毒剤並びに殺そ剤及び殺虫剤その他の薬剤の取扱いは、次に掲げるところにより行うこと。
イ処理室及び枝肉等を保管する場所以外の所定の場所に保管すること。
ロ目的に応じた薬剤を適正な方法により使用すること。
ハ薬剤によるとたい並びに枝肉及び食用に供する内臓の汚染を防止すること。
ニ洗浄剤及び消毒剤等の容器を新たに開封した場合にあつては、開封した日、開封した薬剤の名称、開封した者その他必要な記録を開封の日から一年間保存すること。
ホ殺そ剤及び殺虫剤等を使用した場合にあつては、使用日、使用した薬剤の名称、使用量、使用者その他必要な記録を使用の日から一年間保存すること。
二十四食品衛生上の危害の発生の防止のため、施設の衛生管理に関する計画及びと畜場の衛生的な管理その他公衆衛生上必要な措置を適切に行うための手順書に基づいた衛生管理が行われるよう、と畜場の衛生管理に従事する者に対して衛生管理に必要な教育を実施すること。
二十五化学物質を取り扱う者に対して、使用する化学物質を安全に取り扱うことができるよう教育訓練を実施すること。
二十六前二号の教育訓練の効果について定期的に検証を行い、必要に応じて教育内容の見直しを行うこと。
2法第六条第一項第二号に掲げる事項に関する同項の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
一獣畜のとさつ又は解体の工程ごとに、食品衛生上の危害を発生させ得る要因(以下「危害要因」という。)の一覧表を作成し、これら危害要因を管理するための措置(以下「管理措置」という。)を定めること。
二前号で特定された危害要因につき、その発生を防止し、排除し、又は許容できる水準にまで低減するために管理措置を講ずることが不可欠な工程(以下「重要管理点」という。)を決定すること。
三個々の重要管理点における危害要因につき、その発生を防止し、排除し、又は許容できる水準にまで低減するための基準(以下「管理基準」という。)を設定すること。
四重要管理点の管理について、連続的な又は相当の頻度による実施状況の把握(次号並びに第七条第二項第四号及び第五号において「モニタリング」という。)をするための方法を設定すること。
五個々の重要管理点において、モニタリングの結果、管理基準を逸脱したことが判明した場合の改善措置を設定すること。
六前各号に規定する措置の内容の効果を、定期的に検証するための手順を定めること。
七事業の規模や業態に応じて、前各号に規定する措置の内容に関する書面とその実施の記録を作成すること。
5と畜場の設置者又は管理者は、法第六条第二項の規定に基づき、次に定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
一第一項第二十四号の計画を作成し、と畜場の衛生管理に従事する者その他の関係者に周知徹底を図ること。
二施設設備、機械器具の構造及び材質並びに獣畜の肉、骨、臓器、血液等を取り扱う工程を考慮し、これらの工程において第一項第二十四号の手順書を作成すること。
三衛生管理の実施状況を記録し、その記録を保存すること。なお、記録の保存期間は、出荷した獣畜の肉、骨、臓器、血液等が使用され、又は消費されるまでの期間を踏まえ、合理的に設定すること。
四第一項第二十四号の計画及び手順書の効果を検証し、必要に応じてそれらの内容を見直すこと。
6と畜場の設置者又は管理者は、前項に規定する措置に関し、次に定める事項についてと畜検査員による検査又は試験を受け、その結果に基づき必要に応じて見直しを行うこと。
一第一項第二十四号の計画又は手順書を作成又は修正した場合にあつては、それらが食品衛生上の危害の発生を防止する目的において、科学的に妥当なものであること。
二衛生管理が第一項第二十四号の計画及び手順書に基づき適切に行われていること。