(趣旨)第一条この府令は、火薬類を運搬する場合の届出の手続、自動車、軽車両(原動機付自転車を含む。以下同じ。)その他により火薬類を運搬する場合の技術上の基準その他火薬類の運搬に関し必要な事項を定めるものとする。
(運搬の届出)第二条火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号。以下「法」という。)第十九条第一項の規定による火薬類の運搬の届出は、別記様式第一の届出書及び別記様式第二の運搬計画表を当該火薬類の出発地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に提出して行うものとする。2前項の届出は、特別の理由がある場合を除き、運搬が一の公安委員会の管轄する地域内においてのみ行われる場合にあつては運搬開始の日の一日前までに、その他の場合にあつては運搬開始の日の二日前までにしなければならない。
(運搬の届出等の経由)第八条火薬類の運搬の届出、証明書の記載事項の変更の届出及び証明書の再交付の申請並びに証明書の返納(運搬を終了した場合におけるものを除く。)は火薬類の出発地を管轄する警察署長を、運搬を終了した場合(運搬が二以上の都道府県にわたるときを除く。)における証明書の返納は火薬類の到達地を管轄する警察署長を経由して行うものとする。
(積載方法)第十二条火薬類を運搬する場合には、次の各号に定める基準に従つて積載しなければならない。一運搬中において摩擦し、動揺し、又は転落することのないようにすること。二火薬類には、防水性及び防火性の被覆をすること。2運搬しようとする火薬類は、内閣総理大臣が告示で定める基準に従い、包装し、又はこん包して積載しなければならない。この場合において、包装又はこん包(以下「包装等」という。)の見やすい箇所に、火薬類の種類、数量及び包装等を含む重量を明りように標示しなければならない。
(混載の禁止)第十三条火薬類は、次の各号に掲げる貨物と同一車両に混載してはならない。一発火性又は引火性の物二包装等が不完全であつて火薬類に摩擦又は衝撃を与えるおそれがある物三鋼材、機械類、鉱石類その他の重量物四毒物、放射性物質その他の有害性物質
(運搬方法)第十五条火薬類を運搬する場合には、次の各号に定める基準に従つて運搬しなければならない。ただし、第一号、第二号、第四号及び第五号の規定は、第十条に規定する数量以下の火薬類を運搬する場合については適用しない。一自動車(二輪の自動車を除く。)により火薬類を運搬する場合において、当該運搬する距離について次の式により計算して得られたDの値が一を超えるときは、運送人は、二人以上の運転要員を確保しなければならない。この場合において、一の運転者が連続して運転する距離について次の式により計算して得られたDの値が一を超えるものであつてはならない。D=(d1/340)+(d2/200)(この式において、d1及びd2は、それぞれ次の数値を表すものとする。d1高速自動車国道(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第三条第一号に規定する高速自動車国道をいう。以下同じ。)による運搬距離(単位 キロメートル)d2高速自動車国道以外の道路による運搬距離(単位 キロメートル))二自動車(二輪の自動車を除く。)によつて運搬する場合には、運送人は、当該自動車に見張人をつけること。三駐車する場合には、危険な場所を避け、かつ、火薬類を見張ること。四夜間又は視界不良の場合において駐車するときは、車両の前方及び後方十五メートルのところに赤色灯を置くこと。五火薬類を積載した車両相互間については、進行中(追越しをする場合を除く。)は、後方の車両は前方の車両との間に八十メートル以上の距離を保ち、駐車する場合は、あとから駐車する車両はすでに駐車している車両との間に五十メートル以上の距離を保つこと。六運搬中積替え等のため火薬類を一時保管する必要がある場合には、火薬庫又はこれに準ずる安全な場所において保管すること。七火薬類の近くで、喫煙し、又は火気を取り扱わないこと。八積卸しに当たつては、手かぎ類を使用しないこと。九積卸しに当たつては、自動車等の原動機を止めること。十積卸しをする場所及び荷台は、積卸しの前後に清掃すること。十一積卸しに当たつては、底に鉄びよう等の着いているくつ類をはかないこと。十二積卸しは、夜間を避けて行なうこと。2次の表の上欄に掲げる火薬類を運搬する場合には、前項に規定する基準に従うほか、同表の中欄に掲げる区分に従い、それぞれ同表の下欄に定める性状のものとして運搬しなければならない。火薬類の種類区分性状法第二条第一項第一号ロに掲げる火薬パウダーケーキ(別名パウダーペースト)二十五質量パーセント以上の水又は十七質量パーセント以上のアルコールで湿状にしたもの法第二条第一項第二号イに掲げる爆薬雷こう二十質量パーセント以上の水又はアルコールと水の混合物で湿状にしたものアジ化鉛スチフニン酸鉛(別名トリニトロレゾルシン鉛)ジアゾジニトロフェノール四十質量パーセント以上の水又はアルコールと水の混合物で湿状にしたものグアニルニトロサミノグアニルテトラセン(別名テトラセン)三十質量パーセント以上の水又はアルコールと水の混合物で湿状にしたもの法第二条第一項第二号ハに掲げる爆薬ニトログリセリン四十質量パーセント以上の不揮発性で水に溶けない鈍感剤で鈍性化したものニトログリセリンのアルコール溶液濃度が一質量パーセントを超え十質量パーセント以下のアルコール溶液としたものジエチレングリコールジナイトレート二十五質量パーセント以上の不揮発性で水に溶けない鈍感剤で鈍性化したもの四硝酸ペンタエリスリット(別名ペンタエリスリトールテトラナイトレート、ペンスリット又はPETN)二十五質量パーセント以上の水で湿状にしたもの、十五質量パーセント以上の鈍感剤で鈍性化したもの又は七質量パーセント以上のワックスを含有するもの六硝酸マンニトール(別名ニトロマンニット)四十質量パーセント以上の水又はアルコールと水の混合物で湿状にしたもの法第二条第一項第二号ホに掲げる爆薬シクロトリメチレントリニトラミン(別名シクロナイト、ヘキソーゲン又はRDX)十五質量パーセント以上の水で湿状にしたもの又は鈍性化したものシクロテトラメチレンテトラニトラミン(別名HMX又はオクトーゲン)シクロトリメチレントリニトラミン(別名シクロナイト、ヘキソーゲン又はRDX)とシクロテトラメチレンテトラニトラミン(別名HMX又はオクトーゲン)の混合物十五質量パーセント以上の水で湿状にしたもの又は十質量パーセント以上の鈍感剤で鈍性化したもの
(標識)第十六条火薬類を運搬する車両は、火薬類の運搬中であることを明示するため、次の各号に定めるところにより標識をつけなければならない。ただし、十キログラム以下の火薬、五キログラム以下の爆薬、百個以下の工業雷管若しくは電気雷管、二十五個以下の導火管付き雷管、一万個以下の銃用雷管、千個以下の実包、空包若しくはコンクリート破砕器、百メートル以下の導爆線、二十メートル以下の制御発破用コード又は薬液注入用薬包を運搬する場合は、この限りでない。一自動車(二輪の自動車を除く。)イ昼間においては、赤地に((火))と白書した縦〇・三五メートル以上、横〇・五〇メートル以上の大きさの標示板を車両の前部、後部及び両側部の見やすい箇所に掲げること。ただし、第十二条第一項第二号に規定する被覆で赤地のものを用いるときは、両側部の標示板を掲げないことができる。ロ夜間においては、イに規定する標示板の((火))の部分に反射剤を用いたものを掲げ、かつ、百五十メートル以上の距離から明りように確認できる光度の赤色灯を車両の前部及び後部の見やすい箇所につけること。二二輪の自動車及び軽車両イ昼間においては、赤地に((火))と白書した〇・三五メートル平方以上の大きさの標旗を掲げること。ロ夜間においては、赤色灯を車両の前部及び後部の見やすい箇所につけること。2第十条に規定する数量以下の火薬類を運搬する場合には、二輪の自動車以外の自動車にあつても、前項第二号に定めるところによることができる。
(通路)第十七条火薬類を運搬する場合の通路については、次の各号の基準に従わなければならない。ただし、その基準に従う通路によるときは著しく回り道となり、その他その基準に従う通路によることができず、又は困難である場合には、この限りでない。一車両で運搬する場合には、その車両の幅に三・五メートルを加えた幅以下の幅の道路を通らないこと。二常時火気を取り扱う場所又は発火性若しくは引火性の物を蓄積する場所に近接しないこと。三繁華街又は人ごみを避けること。
(荷送人等の留意事項)第十八条荷送人は、火薬類の種類及び性状により積載方法、運搬方法その他火薬類の取扱いについて、特に留意すべき事項があるときは、運送人に対し、あらかじめその事項を知らせておかなければならない。2運送人は、火薬類の運搬に当たつては、あらかじめ車両及び積荷の点検をしなければならない。3運送人は、火薬類を運搬する車両の運転者には相当の運転経験を有し、かつ、運転技術のすぐれた者を充てなければならない。
(防衛出動時の適用除外)第十九条第十五条第一項第一号、第四号及び第五号並びに第十六条第一項の規定は、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により出動を命ぜられた自衛隊の部隊等(同法第八条に規定する部隊等をいう。以下この条において同じ。)が火薬類を運搬する場合であって、当該部隊等の任務遂行上これらの規定により難いときは、適用しない。この場合において、当該部隊等の長は、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。
1この府令は、平成六年四月一日から施行する。2この府令による改正前の銃砲刀剣類所持等取締法施行規則、遺失物法施行規則、道路交通法施行規則、火薬類の運搬に関する総理府令、指定射撃場の指定に関する総理府令、猟銃用火薬類等の譲渡、譲受け、輸入及び消費に関する総理府令、自動車安全運転センター法施行規則、核燃料物質等の運搬の届出等に関する総理府令及び警備業法施行規則に規定する様式による書面については、当分の間、それぞれ改正後のこれらの府令に規定する様式による書面とみなす。
(施行期日)第一条この府令は、平成十年四月一日から施行する。ただし、第十五条第二項に表を加える改正規定(法第二条第一項第二号イに掲げる爆薬の項(アジ化鉛に係る部分を除く。)及び法第二条第一項第二号ハに掲げる爆薬の項(四硝酸ペンタエリスリット(別名ペンタエリスリトールテトラナイトレート、ペンスリット又はPETN)に係る部分に限る。)を除く。)は、平成十一年四月一日から施行する。
(経過措置)第二条平成十一年三月三十一日までの間は、改正後の第十五条第二項の表法第二条第一項第二号イに掲げる爆薬の項中「四十質量パーセント以上の水又はアルコールと水との混合物」とあり、及び「三十質量パーセント以上の水又はアルコールと水の混合物」とあるのは「二十質量パーセント以上の水、アルコール又はアルコールと水の混合物」と、同表法第二条第一項第二号ハに掲げる爆薬の項中「二十五質量パーセント以上の水」とあるのは「十五質量パーセント以上の水若しくはアルコール」とする。
(施行期日)1この府令は、公布の日から施行する。(経過措置)2この府令による改正前の銃砲刀剣類所持等取締法施行規則、道路交通法施行規則、火薬類の運搬に関する総理府令、指定射撃場の指定に関する総理府令、猟銃用火薬類等の譲渡、譲受け、輸入及び消費に関する総理府令、核燃料物質等の運搬の届出等に関する総理府令、警備業法施行規則及び放射性同位元素等の運搬の届出等に関する総理府令に規定する様式による書面については、改正後の銃砲刀剣類所持等取締法施行規則、道路交通法施行規則、火薬類の運搬に関する総理府令、指定射撃場の指定に関する総理府令、猟銃用火薬類等の譲渡、譲受け、輸入及び消費に関する総理府令、核燃料物質等の運搬の届出等に関する総理府令、警備業法施行規則及び放射性同位元素等の運搬の届出等に関する総理府令に規定する様式にかかわらず、当分の間、なおこれを使用することができる。この場合には、氏名を記載し及び押印することに代えて、署名することができる。
(施行期日)1この府令は、令和元年七月一日から施行する。(経過措置)2この府令による改正前の銃砲刀剣類所持等取締法施行規則、道路交通法施行規則、火薬類の運搬に関する内閣府令、指定射撃場の指定に関する内閣府令、猟銃用火薬類等の譲渡、譲受け、輸入及び消費に関する内閣府令、自動車安全運転センター法施行規則、核燃料物質等の運搬の届出等に関する内閣府令、放射性同位元素等の運搬の届出等に関する内閣府令、警備業法施行規則、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令、探偵業の業務の適正化に関する法律施行規則及び内閣総理大臣の所掌に係る科学技術・イノベーション創出の活性化に関する内閣府令に規定する様式による書面については、この府令による改正後の銃砲刀剣類所持等取締法施行規則、道路交通法施行規則、火薬類の運搬に関する内閣府令、指定射撃場の指定に関する内閣府令、猟銃用火薬類等の譲渡、譲受け、輸入及び消費に関する内閣府令、自動車安全運転センター法施行規則、核燃料物質等の運搬の届出等に関する内閣府令、放射性同位元素等の運搬の届出等に関する内閣府令、警備業法施行規則、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令、探偵業の業務の適正化に関する法律施行規則及び内閣総理大臣の所掌に係る科学技術・イノベーション創出の活性化に関する内閣府令に規定する様式にかかわらず、当分の間、なおこれを使用することができる。
(経過措置)第二条この府令による改正前の様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、当分の間、この府令による改正後の様式によるものとみなす。2旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
(経過措置)第二条この府令による改正後の別表第一の規定は、この府令の施行の日以後に開始される火薬類の運搬(同日前にした火薬類取締法第十九条第一項の規定による届出に係るものを除く。)について適用し、同日前に開始される火薬類の運搬及び同日前にした同項の規定による届出に係る火薬類の運搬で同日以後に開始されるものについては、なお従前の例による。2この府令による改正前の様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、当分の間、この府令による改正後の様式によるものとみなす。3旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。