(定義)
第二条この法律において「日本電信電話株式会社」とは、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であつて、附則第四条第一項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。
2この法律において「東日本電信電話株式会社」とは、次条第六項第一号に定める区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であつて、日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律(平成九年法律第九十八号。次項において「平成九年改正法」という。)附則第二条第一項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3この法律において「西日本電信電話株式会社」とは、次条第六項第二号に定める区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であつて、平成九年改正法附則第二条第一項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
(事業)
第三条日本電信電話株式会社(以下「会社」という。)は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
一東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「地域会社」という。)が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること。
二地域会社に対し、必要な助言、あつせんその他の援助を行うこと。
三電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと。
2会社は、前項に規定する業務を営むほか、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。この場合において、会社は、総務省令で定めるところにより、あらかじめ、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。
3地域会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
一地域電気通信業務(その目的業務区域内において、基礎的電気通信役務(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第七条に規定する基礎的電気通信役務をいう。)及びその他の電気通信役務(通信を媒介するものに限り、次に掲げる電気通信役務を除く。)を提供する電気通信業務をいう。以下この条及び第二十三条第三号において同じ。)
イその一端が移動端末設備(電気通信事業法第十二条の二第四項第三号ロに規定する移動端末設備をいう。)と接続される伝送路設備であつて総務省令で定めるものを用いる電気通信役務
ロ専らインターネットへの接続を可能とする電気通信役務を提供するために設置される電気通信設備として総務省令で定めるものを用いる電気通信役務
4地域会社は、次に掲げる業務を営むことができる。この場合において、地域会社は、当該業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。
一前項に規定する業務のほか、地域会社の目的を達成するために必要な業務
二他の地域会社の目的業務区域内における通信を媒介する電気通信役務(前項第一号イ及びロに掲げる電気通信役務を除く。)を提供する電気通信業務
5地域電気通信業務(前項第二号に掲げる業務を含み、目的業務区域内の各都道府県の区域(電気通信役務の利用状況を勘案して特に必要があると認められるときは、総務省令で別に定める区域。以下この項において同じ。)と当該目的業務区域内の他の各都道府県の区域との間の通信を媒介する電気通信役務を提供する電気通信業務を除く。第二十三条第三号において同じ。)は、地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、地域電気通信業務に係る電気通信役務の適切かつ安定的な提供を確保するために必要があると認められる場合であつて、総務省令で定めるところにより、総務大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
6前三項において「目的業務区域」とは、次の各号に掲げる地域会社の区分に応じ、当該各号に定める区域をいう。
一東日本電信電話株式会社北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県の区域を合わせた区域(電気通信役務の利用状況を勘案して特に必要があると認められるときは、総務省令で定める区域を含み、総務省令で定める区域を除く。)
二西日本電信電話株式会社京都府及び大阪府並びに前号に規定する県以外の県の区域を合わせた区域(電気通信役務の利用状況を勘案して特に必要があると認められるときは、総務省令で定める区域を含み、総務省令で定める区域を除く。)
7地域会社は、第三項及び第四項に規定する業務のほか、第三項に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務(同項第一号イ及びロに掲げる電気通信役務を提供する電気通信業務その他総務省令で定める業務を除く。以下この条において「活用業務」という。)を営むことができる。
8地域会社は、前項の規定により活用業務を営もうとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ、活用業務の実施に関する基準(以下この条において「実施基準」という。)を定め、これを総務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
9実施基準は、地域会社が活用業務を営むに当たつて遵守すべき次に掲げる事項に関し、総務省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。
一活用業務が第三項に規定する業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において営まれることを確保するための措置に関する事項
二活用業務が電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内において営まれることを確保するための措置に関する事項
10地域会社は、活用業務を営むに当たつては、実施基準に定めるところに従わなければならない。
11地域会社は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、活用業務の実施状況その他の総務省令で定める事項を総務大臣に報告するとともに、公表しなければならない。
12総務大臣は、実施基準が第九項の規定に適合しないと認めるときは、地域会社に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
13総務大臣は、地域会社が実施基準を遵守していないと認めるときは、地域会社に対し、活用業務が第三項に規定する業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内において営まれることを確保するために必要な限度において、実施基準を遵守すべきことを命ずることができる。
(外国人等の取得した株式の取扱い)
第六条会社は、その株式を取得した次に掲げる者から、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることによつて第一号から第三号までに掲げる者により直接に占められる議決権の割合とこれらの者により第四号に掲げる者を通じて間接に占められる議決権の割合として総務省令で定める割合とを合計した割合(以下この条において「外国人等議決権割合」という。)が三分の一以上となるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。
四前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体
2会社は、社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第百五十一条第一項又は第八項の規定による通知に係る株主のうちの前項各号に掲げる者が各自有する株式の全てについて同法第百五十二条第一項の規定により株主名簿に記載し、又は記録することとした場合に外国人等議決権割合が三分の一以上となるときは、外国人等議決権割合が三分の一以上とならないように当該株式の一部に限つて株主名簿に記載し、又は記録する方法として総務省令で定める方法に従い記載し、又は記録することができる株式以外の株式については、同項の規定にかかわらず、同項の規定による株主名簿の記載又は記録をしてはならない。
3前二項に規定するもののほか、会社は、その発行済株式の総数が変動することとなる場合においても、外国人等議決権割合が三分の一以上とならないようにするために必要な措置を講じなければならない。
4会社は、会社法第百二十四条第一項に規定する基準日から総務省令で定める日数前までに、総務省令で定めるところにより、その外国人等議決権割合を公告するとともに、総務大臣に報告しなければならない。
5会社は、外国人等議決権割合に総務省令で定める変更があつたときは、総務省令で定めるところにより、当該変更の内容を総務大臣に報告しなければならない。
6会社は、第一項から第三項までの規定の遵守を確保するため、関係職員の知識の習得及び向上を図るために必要な研修その他の措置を講ずるとともに、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める期間ごとに、その実施状況を総務大臣に報告しなければならない。