2全域放出方式の不活性ガス消火設備の噴射ヘッドは、次の各号に定めるところにより設けなければならない。
一放射された消火剤が防護区画の全域に均一に、かつ、速やかに拡散することができるように設けること。
二噴射ヘッドの放射圧力は、次のイ又はロに定めるところによること。
イ二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち、高圧式のもの(二酸化炭素が常温で容器に貯蔵されているものをいう。以下この条において同じ。)にあつては一・四メガパスカル以上、低圧式のもの(二酸化炭素が零下十八度以下の温度で容器に貯蔵されているものをいう。以下この条において同じ。)にあつては〇・九メガパスカル以上であること。
ロ窒素、窒素とアルゴンとの容量比が五十対五十の混合物(以下「IG―五五」という。)又は窒素とアルゴンと二酸化炭素との容量比が五十二対四十対八の混合物(以下「IG―五四一」という。)を放射する不活性ガス消火設備にあつては一・九メガパスカル以上であること。
三消火剤の放射時間は、次のイ又はロに定めるところによること。
イ二酸化炭素を放射するものにあつては、第四項第一号イに定める消火剤の量を、次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分の区分に応じ、同表下欄に掲げる時間内に放射できるものであること。
防火対象物又はその部分 | 時間 |
通信機器室 | 三・五分 |
指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物又はその部分 | 七分 |
その他の防火対象物又はその部分 | 一分 |
ロ窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射するものにあつては、第四項第一号ロに定める消火剤の量の十分の九の量以上の量を、一分以内に放射できるものであること。
四消防庁長官が定める基準に適合するものであること。
3局所放出方式の不活性ガス消火設備の噴射ヘッドは、前項第二号イの規定の例によるほか、次の各号に定めるところにより設けなければならない。
一防護対象物のすべての表面がいずれかの噴射ヘッドの有効射程内にあるように設けること。
二消火剤の放射によつて可燃物が飛び散らない箇所に設けること。
三次項第二号に定める消火剤の量を三十秒以内に放射できるものであること。
四消防庁長官が定める基準に適合するものであること。
4不活性ガス消火剤の貯蔵容器(以下この条において「貯蔵容器」という。)に貯蔵する消火剤の量は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一全域放出方式の不活性ガス消火設備にあっては、次のイ又はロに定めるところによること。
イ二酸化炭素を放射するものにあっては、次の(イ)から(ハ)までに定めるところにより算出された量以上の量とすること。
(イ)通信機器室又は指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、若しくは取り扱う防火対象物又はその部分にあっては、次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分の区分に応じ、当該防護区画の体積(不燃材料で造られ、固定された気密構造体が存する場合には、当該構造体の体積を減じた体積。以下この条、第二十条及び第二十一条において同じ。)一立方メートルにつき同表下欄に掲げる量の割合で計算した量
防火対象物又はその部分 | 防護区画の体積一立方メートル当たりの消火剤の量 |
通信機器室 | キログラム一・二 |
指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物又はその部分 | 綿花類、木毛若しくはかんなくず、ぼろ若しくは紙くず(動植物油がしみ込んでいる布又は紙及びこれらの製品を除く。)、糸類、わら類、再生資源燃料又は合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずに限る。)(以下「綿花類等」という。)に係るもの | 二・七 |
木材加工品又は木くずに係るもの | 二・〇 |
合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずを除く。)に係るもの | 〇・七五 |
(ロ)(イ)に掲げる防火対象物又はその部分以外のものにあつては、次の表の上欄に掲げる防護区画の体積に応じ、同表中欄に掲げる量の割合で計算した量。ただし、その量が同表下欄に掲げる量未満の量となる場合においては、当該下欄に掲げる量とする。
防護区画の体積 | 防護区画の体積一立方メートル当たりの消火剤の量 | 消火剤の総量の最低限度 |
五十立方メートル未満 | キログラム一・〇〇 | |
五十立方メートル以上百五十立方メートル未満 | 〇・九〇 | キログラム五十 |
百五十立方メートル以上千五百立方メートル未満 | 〇・八〇 | 百三十五 |
千五百立方メートル以上 | 〇・七五 | 千二百 |
(ハ)防護区画の開口部に自動閉鎖装置を設けない場合にあつては、(イ)又は(ロ)により算出された量に、次の表の上欄に掲げる防火対象物又はその部分の区分に応じ、同表下欄に掲げる量の割合で計算した量を加算した量
防火対象物又はその部分 | 開口部の面積一平方メートル当たりの消火剤の量 |
(イ)に掲げる防火対象物又はその部分 | 通信機器室 | キログラム十 |
指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。)を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物又はその部分 | 綿花類等に係るもの | 二十 |
木材加工品又は木くずに係るもの | 十五 |
合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずを除く。)に係るもの | 五 |
(ロ)に掲げる防火対象物又はその部分 | 五 |
ロ窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射するものにあつては、次の表の上欄に掲げる消火剤の種別の区分に応じ、同表下欄に掲げる量の割合で計算した量とすること。
消火剤の種別 | 防護区画の体積一立方メートル当たりの消火剤の量 |
窒素 | 立方メートル(温度二十度で一気圧の状態に換算した体積)〇・五一六以上〇・七四〇以下 |
IG―五五 | 〇・四七七以上〇・五六二以下 |
IG―五四一 | 〇・四七二以上〇・五六二以下 |
二局所放出方式の不活性ガス消火設備にあっては、次のイ又はロに定めるところにより算出された量に、高圧式のものにあっては一・四を、低圧式のものにあっては一・一をそれぞれ乗じた量以上とすること。
イ可燃性固体類又は可燃性液体類を上面を開放した容器に貯蔵する場合その他火災のときの燃焼面が一面に限定され、かつ、可燃物が飛散するおそれがない場合にあっては、防護対象物の表面積(当該防護対象物の一辺の長さが〇・六メートル以下の場合にあっては、当該辺の長さを〇・六メートルとして計算した面積。第二十条及び第二十一条において同じ。)一平方メートルにつき十三キログラムの割合で計算した量
ロイに掲げる場合以外の場合にあつては、次の式によつて求められた量に防護空間(防護対象物のすべての部分から〇・六メートル離れた部分によつて囲まれた空間の部分をいう。以下同じ。)の体積を乗じた量
Qは、単位体積当りの消火剤の量(単位 キログラム毎立方メートル)
aは、防護対象物の周囲に実際に設けられた壁の面積の合計(単位 平方メートル)
Aは、防護空間の壁の面積(壁のない部分にあつては、壁があると仮定した場合における当該部分の面積)の合計(単位 平方メートル)
三全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備において同一の防火対象物又はその部分に防護区画又は防護対象物が二以上存する場合には、それぞれの防護区画又は防護対象物について前二号の規定の例により計算した量のうち最大の量以上の量とすること。
四移動式の不活性ガス消火設備にあつては、一のノズルにつき九十キログラム以上の量とすること。
5全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。
一駐車の用に供される部分及び通信機器室であつて常時人がいない部分には、全域放出方式の不活性ガス消火設備を設けること。
一の二常時人がいない部分以外の部分には、全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備を設けてはならない。
二不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素(日本産業規格K一一〇六の二種又は三種に適合するものに限る。以下この号、第二号の三及び次項第一号において同じ。)、窒素(日本産業規格K一一〇七の二級に適合するものに限る。以下この号において同じ。)、窒素とアルゴン(日本産業規格K一一〇五の二級に適合するものに限る。以下この号において同じ。)との容量比が五十対五十の混合物又は窒素とアルゴンと二酸化炭素との容量比が五十二対四十対八の混合物とすること。
二の二全域放出方式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、次の表の上欄に掲げる当該消火設備を設置する防火対象物又はその部分の区分に応じ、同表下欄に掲げる消火剤とすること。
防火対象物又はその部分 | 消火剤の種別 |
鍛造場、ボイラー室、乾燥室その他多量の火気を使用する部分、ガスタービンを原動力とする発電機が設置されている部分又は指定可燃物を貯蔵し、若しくは取り扱う防火対象物若しくはその部分 | 二酸化炭素 |
その他の防火対象物又はその部分 | 防護区画の面積が千平方メートル以上又は体積が三千立方メートル以上のもの |
その他のもの | 二酸化炭素、窒素、IG―五五又はIG―五四一 |
二の三局所放出方式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とすること。
三防護区画の換気装置は、消火剤放射前に停止できる構造とすること。
四全域放出方式の不活性ガス消火設備を設置した防火対象物又はその部分の開口部は、次のイ又はロに定めるところによること。
イ二酸化炭素を放射するものにあつては、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによること。
(イ)階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所に面して設けてはならないこと。
(ロ)床面からの高さが階高の三分の二以下の位置にある開口部で、放射した消火剤の流失により消火効果を減ずるおそれのあるもの又は保安上の危険があるものには、消火剤放射前に閉鎖できる自動閉鎖装置を設けること。
(ハ)自動閉鎖装置を設けない開口部の面積の合計の数値は、前項第一号イ(イ)に掲げる防火対象物又はその部分にあつては囲壁面積(防護区画の壁、床及び天井又は屋根の面積の合計をいう。以下同じ。)の数値の一パーセント以下、前項第一号イ(ロ)に掲げる防火対象物又はその部分にあつては防護区画の体積の数値又は囲壁面積の数値のうちいずれか小さい方の数値の十パーセント以下であること。
ロ窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射するものにあつては、消火剤放射前に閉鎖できる自動閉鎖装置を設けること。
五貯蔵容器への充てんは、次のイ又はロに定めるところによること。
イ二酸化炭素を消火剤とする場合にあつては、貯蔵容器の充てん比(容器の内容積の数値と消火剤の重量の数値との比をいう。以下同じ。)が、高圧式のものにあつては一・五以上一・九以下、低圧式のものにあつては一・一以上一・四以下であること。
ロ窒素、IG―五五又はIG―五四一を消火剤とする場合にあつては、貯蔵容器の充てん圧力が温度三十五度において三十・〇メガパスカル以下であること。
六貯蔵容器は、次のイからハまでに定めるところにより設けること。
ロ温度四十度以下で温度変化が少ない場所に設けること。
ハ直射日光及び雨水のかかるおそれの少ない場所に設けること。
六の二貯蔵容器には、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置(容器弁に設けられたものを含む。第十三号ニ、第二十条第四項第四号イ及び第六号の二並びに第二十一条第四項第三号ハ及び第五号の二において同じ。)を設けること。
六の三貯蔵容器の見やすい箇所に、充てん消火剤量、消火剤の種類、製造年及び製造者名を表示すること。ただし、二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器にあつては、消火剤の種類を表示することを要しない。
七配管は、次のイからニまでに定めるところによること。
ロ配管は、次の(イ)又は(ロ)に定めるところによること。
(イ)二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備にあつては、次のとおりとすること。
(1)鋼管を用いる配管は、日本産業規格G三四五四のSTPG三七〇のうち、高圧式のものにあつては呼び厚さでスケジュール八十以上のもの、低圧式のものにあつては呼び厚さでスケジュール四十以上のものに適合するもの又はこれらと同等以上の強度を有するもので、亜鉛メッキ等による防食処理を施したものを用いること。
(2)銅管を用いる配管は、日本産業規格H三三〇〇のタフピッチ銅に適合するもの又はこれと同等以上の強度を有するもので、高圧式のものにあつては十六・五メガパスカル以上、低圧式のものにあつては三・七五メガパスカル以上の圧力に耐えるものを用いること。
(ロ)窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射する不活性ガス消火設備にあつては、次のとおりとすること。ただし、圧力調整装置の二次側配管にあつては、温度四十度における最高調整圧力に耐える強度を有する鋼管(亜鉛メッキ等による防食処理を施したものに限る。)又は銅管を用いることができる。
(1)鋼管を用いる配管は、日本産業規格G三四五四のSTPG三七〇のうち、呼び厚さでスケジュール八十以上のものに適合するもの又はこれと同等以上の強度を有するもので、亜鉛メッキ等による防食処理を施したものを用いること。
(2)銅管を用いる配管は、日本産業規格H三三〇〇のタフピッチ銅に適合するもの又はこれと同等以上の強度を有するもので、十六・五メガパスカル以上の圧力に耐えるものを用いること。
(3)(1)及び(2)の規定にかかわらず、配管に選択弁又は開閉弁(以下「選択弁等」という。)を設ける場合にあつては、貯蔵容器から選択弁等までの部分には温度四十度における内部圧力に耐える強度を有する鋼管(亜鉛メッキ等による防食処理を施したものに限る。)又は銅管を用いること。
ハ管継手は、次の(イ)又は(ロ)に定めるところによること。
(イ)二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち、高圧式のものにあつては十六・五メガパスカル以上、低圧式のものにあつては三・七五メガパスカル以上の圧力に耐えるもので、適切な防食処理を施したものを用いること。
(ロ)窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射する不活性ガス消火設備にあつては、ロ(ロ)の規定の例によること。
ニ落差(配管の最も低い位置にある部分から最も高い位置にある部分までの垂直距離をいう。第二十条第四項第七号ホ及び第二十一条第四項第七号トにおいて同じ。)は、五十メートル以下であること。
八二酸化炭素を常温で貯蔵する容器又は窒素、IG―五五若しくはIG―五四一を貯蔵する容器には、消防庁長官が定める基準に適合する容器弁を設けること。
九二酸化炭素を零下十八度以下の温度で貯蔵する容器(以下「低圧式貯蔵容器」という。)は、次のイからニまでに定めるところによること。
イ低圧式貯蔵容器には液面計及び圧力計を設けること。
ロ低圧式貯蔵容器には二・三メガパスカル以上の圧力及び一・九メガパスカル以下の圧力で作動する圧力警報装置を設けること。
ハ低圧式貯蔵容器には、容器内部の温度を零下二十度以上零下十八度以下に保持することができる自動冷凍機を設けること。
ニ低圧式貯蔵容器には、消防庁長官が定める基準に適合する破壊板を設けること。
十低圧式貯蔵容器には、消防庁長官が定める基準に適合する放出弁を設けること。
十一選択弁は、次のイからニまでに定めるところによること。
イ一の防火対象物又はその部分に防護区画又は防護対象物が二以上存する場合において貯蔵容器を共用するときは、防護区画又は防護対象物ごとに選択弁を設けること。
ハ選択弁には選択弁である旨及びいずれの防護区画又は防護対象物の選択弁であるかを表示すること。
ニ選択弁は、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。
十二貯蔵容器から噴射ヘッドまでの間に選択弁等を設けるものには、貯蔵容器と選択弁等の間に、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置又は破壊板を設けること。
十三起動用ガス容器は、次のイからニまでに定めるところによること。
イ全域放出方式の不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するものに限る。)には、起動用ガス容器を設けること。
ロ起動用ガス容器は、二十四・五メガパスカル以上の圧力に耐えるものであること。
ハ起動用ガス容器の内容積は、一リットル以上とし、当該容器に貯蔵する二酸化炭素の量は、〇・六キログラム以上で、かつ、充てん比は、一・五以上であること。
ニ起動用ガス容器には、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置及び容器弁を設けること。
十四起動装置は、次のイ又はロに定めるところによること。
イ二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備にあっては、次の(イ)及び(ロ)に定めるところによること。
(イ)手動式とすること。ただし、常時人のいない防火対象物その他手動式によることが不適当な場所に設けるものにあっては、自動式とすることができる。
(ロ)全域放出方式のものには、消火剤の放射を停止する旨の信号を制御盤へ発信するための緊急停止装置を設けること。
ロ窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射する不活性ガス消火設備にあつては、自動式とすること。
十五手動式の起動装置は、次のイからチまでに定めるところによること。
イ起動装置は、当該防護区画外で当該防護区画内を見とおすことができ、かつ、防護区画の出入口付近等操作をした者が容易に退避できる箇所に設けること。
ロ起動装置は、一の防護区画又は防護対象物ごとに設けること。
ハ起動装置の操作部は、床面からの高さが〇・八メートル以上一・五メートル以下の箇所に設けること。
ニ起動装置にはその直近の見やすい箇所に不活性ガス消火設備の起動装置である旨及び消火剤の種類を表示すること。
ヘ電気を使用する起動装置には電源表示灯を設けること。
ト起動装置の放出用スイッチ、引き栓等は、音響警報装置を起動する操作を行つた後でなければ操作できないものとし、かつ、起動装置に有機ガラス等による有効な防護措置が施されていること。
チ起動装置又はその直近の箇所には、防護区画の名称、取扱い方法、保安上の注意事項等を表示すること。
十六自動式の起動装置は、次のイからニまでに定めるところによること。
イ起動装置は、次の(イ)及び(ロ)に定めるところによること。
(イ)自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動するものであること。
(ロ)全域放出方式の不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するものに限る。)に設ける起動装置は、二以上の火災信号により起動するものであること。
ロ起動装置には次の(イ)から(ハ)までに定めるところにより自動手動切替え装置を設けること。
(ハ)自動手動の切替えは、かぎ等によらなければ行えない構造とすること。
ハ窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射する不活性ガス消火設備にあつては、起動装置の放出用スイッチ、引き栓等の作動により直ちに貯蔵容器の容器弁又は放出弁を開放するものであること。
ニ自動手動切替え装置又はその直近の箇所には取扱い方法を表示すること。
十七音響警報装置は、次のイからニまでに定めるところによること。
イ手動又は自動による起動装置の操作又は作動と連動して自動的に警報を発するものであり、かつ、消火剤放射前に遮断されないものであること。
ロ音響警報装置は、防護区画又は防護対象物にいるすべての者に消火剤が放射される旨を有効に報知できるように設けること。
ハ全域放出方式の不活性ガス消火設備に設ける音響警報装置は、音声による警報装置とすること。ただし、常時人のいない防火対象物(二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち、自動式の起動装置を設けたものを設置したものを除く。)にあっては、この限りでない。
ニ音響警報装置は、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。
十八不活性ガス消火設備を設置した場所には、その放出された消火剤及び燃焼ガスを安全な場所に排出するための措置を講じること。
十九全域放出方式の不活性ガス消火設備には、次のイ又はロに定めるところにより保安のための措置を講じること。
イ二酸化炭素を放射するものにあっては、次の(イ)から(ホ)までに定めるところによること。
(イ)起動装置の放出用スイッチ、引き栓等の作動から貯蔵容器の容器弁又は放出弁の開放までの時間が二十秒以上となる遅延装置を設けること。
(ロ)手動起動装置には(イ)で定める時間内に消火剤が放出しないような措置を講じること。
(ハ)集合管(集合管に選択弁を設ける場合にあっては、貯蔵容器と選択弁の間に限る。)又は操作管(起動用ガス容器と貯蔵容器の間に限る。)に消防庁長官が定める基準に適合する閉止弁を設けること。
(ニ)防護区画の出入口等の見やすい箇所に消火剤が放出された旨を表示する表示灯を設けること。
(ホ)二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器を設ける場所及び防護区画の出入口等の見やすい箇所に、次の(1)及び(2)に定める事項並びに日本産業規格A八三一二(二〇二一)の図A.1(一辺の長さが〇・三メートル以上のものに限る。)を表示した標識を設けること。
(1)二酸化炭素が人体に危害を及ぼすおそれがあること。
(2)消火剤が放射された場合は、当該場所に立ち入ってはならないこと。ただし、消火剤が排出されたことを確認した場合は、この限りでない。
ロ窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射するものにあっては、イ(ニ)の規定の例によること。
十九の二全域放出方式の不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するものに限る。)を設置した防護区画と当該防護区画に隣接する部分(以下「防護区画に隣接する部分」という。)を区画する壁、柱、床又は天井(ロにおいて「壁等」という。)に開口部が存する場合にあつては、防護区画に隣接する部分は、次のイからハまでに定めるところにより保安のための措置を講じること。ただし、防護区画において放出された消火剤が開口部から防護区画に隣接する部分に流入するおそれがない場合又は保安上の危険性がない場合にあつては、この限りでない。
イ消火剤を安全な場所に排出するための措置を講じること。
ロ防護区画に隣接する部分の出入口等(防護区画と防護区画に隣接する部分を区画する壁等に存する出入口等を除く。)の見やすい箇所に防護区画内で消火剤が放出された旨を表示する表示灯を設けること。
ハ防護区画に隣接する部分には、消火剤が防護区画内に放射される旨を有効に報知することができる音響警報装置を第十七号の規定の例により設けること。
十九の三全域放出方式のものには、消防庁長官が定める基準に適合する当該設備等の起動、停止等の制御を行う制御盤を設けること。
二十非常電源は、自家発電設備、蓄電池設備又は燃料電池設備によるものとし、その容量を当該設備を有効に一時間作動できる容量以上とするほか、第十二条第一項第四号ロからホまでの規定の例により設けること。
二十一操作回路、音響警報装置回路及び表示灯回路(第二十条及び第二十一条において「操作回路等」という。)の配線は、第十二条第一項第五号の規定の例により設けること。
二十二消火剤放射時の圧力損失計算は、消防庁長官が定める基準によること。
二十二の二全域放出方式の不活性ガス消火設備(窒素、IG―五五又はIG―五四一を放射するものに限る。)を設置した防護区画には、当該防護区画内の圧力上昇を防止するための措置を講じること。
二十三第十二条第一項第八号の規定は、不活性ガス消火設備について準用する。
二十四貯蔵容器、配管及び非常電源には、第十二条第一項第九号に規定する措置を講じること。
6移動式の不活性ガス消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、前項第五号イ、第六号ロ及びハ、第六号の二、第六号の三(窒素、IG―五五及びIG―五四一に係る部分を除く。)、第七号(同号ロ(ロ)及びハ(ロ)を除く。)、第八号(窒素、IG―五五及びIG―五四一に係る部分を除く。)並びに第二十二号の規定の例によるほか、次のとおりとする。
一移動式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とすること。
一の二ノズルは、温度二十度において一のノズルにつき毎分六十キログラム以上の消火剤を放射できるものであること。
二貯蔵容器の容器弁又は放出弁は、ホースの設置場所において手動で開閉できるものであること。
三貯蔵容器は、ホースを設置する場所ごとに設けること。
四貯蔵容器の直近の見やすい箇所に赤色の灯火及び移動式不活性ガス消火設備である旨及び消火剤の種類を表示した標識を設けること。
五火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所以外の場所に設置すること。
五の二道路の用に供される部分に設置する場合にあつては、屋上部分に限り設置できること。
六ホース、ノズル、ノズル開閉弁及びホースリールは、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。